ギル元CEOの昔話

マンチェスター・ユナイテッドの元CEOであるデイヴィッド・ギル氏は、サー・アレックス・ファーガソン元監督がクラブを牛耳っている時にはユナイテッドであまり表に現れることは無かった。

ギルとファーガソンの両人は共に2013年にクラブを去り、ユナイテッドはデイヴィッド・モイーズ前監督の下で過渡期を迎えた。

そして、ギルはマンチェスターのグラマー・スクールでビジネスに関するクラスの講義でユナイテッドでの移籍交渉について活き活きと語っている。

© Getty Images

私は（何故クラブが移籍市場ギリギリになってビジネスをするのか）分からない。とても難しいことだ。

トッテナムについて余計な口を挟みたくはないが、ダニエル・レヴィ会長はそうしたがった。

2008年、我々がチャンピオンズリーグを勝ち取った年、我々は全ての得点を（カルロス・）テベス、（ウェイン・）ルーニー、（クリスティアーノ・）ロナウドに任せるのは無理だと判断し、他のストライカーの獲得に動くことを決めた。そのストライカーとはディミトール・ベルバトフである。私はレヴィ会長に6月にその旨を話し、オファーを出した。そしてそれはそのまま夏の間塩漬けにされた。

あれは悪夢だった。私の妻がフロリダでの休暇中に私を撮ってくれた写真があるんだが、レヴィ会長との電話中に足を消火栓にぶつけてしまったよ。

最終的に私は自分がスパーズを動かせたと感じている。何故なら移籍期限のデッドライン深夜に移籍をまとめることが出来たんだからね。ギリギリにベルバトフのユナイテッド移籍が決まったあおりで、スパーズは後釜を探す時間が無かったんだ。

移籍を実現させるためにはレヴィ会長には後釜が必要。そこで、スパーズからはフレイザー・キャンベルについて聞かれたんだ。そのため、ファーガソンがフレイザーに電話してこう言ったんだ。「ところでフレイザー、お願いだから今からトッテナムに行ってくれないか？」ってね。これが当時のベルバトフの移籍交渉の裏側だよ。

ファーガソンの移籍交渉の手法についても次のようにコメント。

私はファーガソンと何度となく頻繁に話し合っていたよ。1日とか2日おきとかそんなレベルでね。そして毎週金曜のとても早い時間に会っていたよ。

我々は選手について議論したんだ。彼はある程度、協調性といった性格について幾つかの優先順位を与えてくれたよ。

でもユナイテッドがファーガソンの下で定期的にタイトルを獲得していたから、選手はユナイテッドで彼の下でプレーしたがったよ。

ギルとファーガソンはユナイテッドで強固な関係を構築したが、CEOですらファギーの怒りを買うことは避けられなかったようだ。

我々は何度か衝突したよ。もし衝突を避けていたら、我々がこんな成功を手に出来たかどうか分からない。最終的な目標は、二人ともユナイテッドを成功に導きたいという思いだったんだ。

監督とCEOが良い仕事を出来れば、チームは賞金を獲得し、多くの収入を得られる。そうなれば再びチームの強化に金を費やせる。これが最も重要な部分だ。

彼のオフィスを訪れた時のことを思い出すよ。しゃべりは訛ってて酷いもんだった。でも彼はその後に何事も無かったかのように別の話を何時間も電話してきたんだ。その時に思ったんだ。「オーケーだ。」とね。

＜元記事：Former Manchester United chief David Gill reflects on run-ins with Sir Alex Ferguson and ‘nightmare’ Dimitar Berbatov deal＠Daily Mail＞

ウッドワードCEOがファン・ハール監督と同じタイミングでクラブを去るのか、しばらく留まるのか分からないけど、もしもしばらく留まるならファン・ハール監督がウッドワードを鍛え、ウッドワードが新監督を引っ張れるぐらいにまで成長してほしいね。

特に新監督がジャックナイフなんだったらなおさらCEOには実力を付けておいてもらいたい。

プレミアリーグ人気ブログランキングへ！！！