ウルブス戦でハイライトされたユナイテッドの中盤のジレンマ
公開日:
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プレミアリーグ21/22 Manchester Evening News, ウルブス
ラルフ・ラングニックは、オールド・トラッフォードでウルブスに0-1で敗れてマンチェスター・ユナイテッドの暫定監督として初敗北を喫した。
© Getty Images
ユナイテッドは試合を通して主導権を握ることに苦しみ、相手が19本のシュートを放ったのに対して9本しかシュートを打てなかった。
ラングニック暫定監督は試合後に次のようにコメント。
我々はプレッシングがなかった。我々はトライしたがプレスをかけるような状況に持っていけなかった。彼らは中盤に負荷をかけ、WB経由でプレーした。我々はまだ2週間半〜3週間しか練習をやれていない。
ドイツ人指揮官は結果と内容を改善させるために時間が必要だが、ウルブス戦で指摘した中盤における負荷という点はユナイテッドがシーズンを通して繰り返している問題を捉えたものである。
ラングニックがユナイテッドで今、そして暫定監督期間内に解決するべき問題は山積しているが、中盤のエリアは特に懸念されるポイントだ。
ネマニャ・マティッチとスコット・マクトミネイがウルブス戦の中盤センターではコンビを組んだい一方、今シーズンはフレッジが多くの試合でマクトミネイの相方を務めている。
ユナイテッドは何度かシステムを変更しており、ラングニックは4-2-2-2を好んでいるが、2枚の中盤が核であり、何度もここが狙われてきた。
10月にリヴァプールがオールド・トラッフォードに乗り込んできた時、ユルゲン・クロップ監督のチームは3枚の中盤に前線から下りてきたロベルト・フィルミーノを加えてダイヤモンドを形成してユナイテッドの中盤2枚を取り囲んだ。この戦術上のアドバンテージを活かして最初から最後まで優位に立ち、流れの中から5ゴールを奪取した。
ウルブスも同じように中盤に人を集めて負荷をかけ、10月にレスターが4-2で勝利した時も同じことが言える。
そこの負荷が高くなるというのは時々は避けて通れないものだが、欧州の他のクラブとは異なりユナイテッドの中盤センターコンビはしばしばそれに対応することに手こずってしまう。
トーマス・トゥヘル監督体制のチェルシーは主に中盤2枚で構成されるが、通常それはエンゴロ・カンテとマテオ・コヴァチッチだ。バイエルン・ミュンヘンも同じく中盤2枚だが、それは普段ヨシュア・キミッヒとレオン・ゴレツカだ。
ラングニックがこの問題を解決するために、戦術を用いるのか金の力を用いるのかはまだ定かではない。
4-2-2-2をやめて、もう1人MFを追加するかもしれない。例えば、ブルーノ・フェルナンデスやドニー・ファン・デ・ベークだ。
その一方では、シンプルに移籍市場でMFの補強をする可能性もある。デクラン・ライスやオーレリアン・チュアメニといった名前が取り沙汰されている。
とにかく、最近の結果からはマティッチとマクトミネイのコンビの場合限界があるということが示唆されており、その点はラングニックも認識し始めている。
マクトミネイに欠けているところがここ。中盤で相手にプレスされた時にそれをかわしてドリブルで前に運んで逆に攻撃のスイッチを入れるとか、パスで相手のバランスを崩すみたいな貢献が欲しい。今は寄せられると安全に横より後ろに戻しちゃう場面がほとんど。
マティッチはバランスを取るタスクを担っているためになかなか持ち運ぶことは難しいから、マクトミネイにその部分(中盤での相手のプレスを交わして攻撃への転嫁)が期待されているんだけどあまり出来ていない。ミドルシュートは良いんだけどね。
逆にマティッチの方が、数少ない攻め上がった時にフェルナンデスの絶好機を演出していたぐらい。
相手が「ガツガツ寄せたら逆にかわされてドリブルで持ち運ばれちゃうかも…」みたいに思うような選手になってもらいたいし、「寄せないとサイドにピンポイントのロングフィード出してきやがる…」と警戒されるような選手にもなってもらいたい。
ダロン・ギブソンの上位互換ぐらいの選手に落ち着いてもらっちゃ困るんだよね。
あとは、フレッジがフィジカルをゴリゴリ強化してパスミスしなくなったら強い。パスミスは改善される可能性あるかもしれないけど、今からフィジカルをゴリ上げるってのは厳しいかなぁ。
システムをイジって中盤を3枚にするなら4-3-3になるんだろうけど、前線からのプレッシングを考えるとハードワークが期待しにくいロナウドを1トップから外さないとオーレ終末期みたいにチームが機能不全に陥りかねないような。
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