マルシャルのデータがユナイテッドのハーランド獲り狙いの正当性を示す
2016年に当時の10代の選手として最高金額となる3500万ポンド(約53億円)でマンチェスター・ユナイテッドに加入したにも関わらず、アントニー・マルシャルはその巨額の移籍金の割には知られていない存在だった。
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だが、マルシャルはオールド・トラッフォードのファンにその名を轟かすのに時間はかからなかった。リヴァプール戦で左サイドからドリブルで相手DFを切り裂いてデビューゴールを決めるという、まさに傑出した個人技の光り輝いた瞬間だった。
しかしながら、それ以来、センセーショナルなデビューが期待したようにはマルシャルのユナイテッドでのキャリアは順調に進んでおらず、ゴール前での決定力の不安定さが常に話題になっている。
ズラタン・イブラヒモビッチがクラブを去り、マルシャルは再び9番のシャツを手にした。だが、彼は生粋のゴールを量産するストライカーだと感じさせてくれていない。
昨シーズンは17ゴールという数字を残しているが、今シーズンはその好調を維持することが出来ておらず、今シーズンのリーグ戦ではここまで僅か4ゴールに留まっている。
特に、マルシャルは決定機のチャンスを無駄にしており、1ゴール決めるのに必要な期待ゴール数(xG)がそれを物語っている。
Infogolによると、マルシャルはプレミアリーグではxGが7.4の中で4ゴールしか決められておらず、xG値の82%下回っている。つまり、データは与えられたチャンスほど決めきれていないことを示しており、彼のフィニッシュがお粗末だということである。
ブルーノ・フェルナンデスがリーグ戦では16ゴールを決めていてここまでのユナイテッドのリーディングスコアラーであり、彼がPKキッカーを担当しているとは言え、ユナイテッドではMFが一番ゴールを決めている事実が声高に語られている。
それ故、ユナイテッドがこの夏の移籍市場でアーリング・ハーランド獲りを最優先ターゲットとしていることに驚きはなく、20歳をロメル・ルカクの抜けた穴を長期的に埋めるFWとしてみている。
ハーランドはRBザルツブルクで一躍時の人となり、今ではボルシア・ドルトムントでブイブイいわしている。世界で最も素晴らしいストライカーの一人としての地位を確立し、イングランドの補強バカが勢揃いで熱視線を送っている。
マルシャルとは違い、ハーランドは生粋のゴールスコアラーであり、ブンデスリーガではxG13.4に対して19ゴールを奪っている点は面白い。無慈悲な点取り屋っぷりを示しており、それこそまさにユナイテッドが求めているものだ。
ノルウェー人ストライカーはドルトムントでの2シーズンでいずれもxGを上回るゴールを決めており、マルシャルの決定力の無さを考慮するとユナイテッドがハーランド獲りに全力で動くことは明らかだ。
xGは要するに、データ上はxGの数字だけゴールを決められているはず(それだけのチャンスが巡ってきている)ってことであり、フェルナンデスはxGが13.1に対して16ゴール。
サラー、ケインあたりはチャンスが多く巡ってきているし、それを確実に決めている感じ。一方、バーディーはチャンスの割には決められていないということかな?
実績のほうがxGを大きく上回っているプレミアリーグの上位選手だと、xG8.79に対して13ゴール決めているソン・フンミン、xG8.61に対して12ゴール決めているイルカイ・ギュンドアン。
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