ユナイテッドがディレクター職の設置を検討
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移籍情報18 Guardian, ジョゼ・モウリーニョ
マンチェスター・ユナイテッドは、現在行っているクラブ再編と設備の拡張工事が完了次第、140年のクラブの歴史上初めてディレクター職を設置しようとしている模様。
© Man Utd via Getty Images
ディレクターを設置することで、ユナイテッドのフットボールスタイルと精神を受け継ぐことや、より理に適った補強のポリシーを持つことも出来るようになるだろう。上層部からは、監督はしばしば短期的な視点のみで物事をみるため、もっと中長期的な視点で近代化する必要があるとの認識が上層部にあり、ディレクター設置が承認されていると考えられている。監督の短期的な目線が、ちぐはぐな補強や監督とCEO間の相違を生んでいる。
ユナイテッドはこの夏の移籍市場でまさにそれに苦しんだ。ジョゼ・モウリーニョ監督は、スカッド強化のために新たなCBの獲得を望んだ一方、エド・ウッドワードCEOを筆頭とする上層部は監督が希望するターゲットに設定された望外な金額を支払う用意はなかった。ウッドワードCEOはディレクター職の招聘において重要な役割を担うものと考えられており、モウリーニョ監督やその後継者は依然として選手補強に非常に絡むことになるだろう。
この夏、モウリーニョ監督はレスター・シティのハリー・マグワイア、バイエルン・ミュンヘンのジェローム・ボアテング、アトレティコ・マドリーのディエゴ・ゴディンを獲得ターゲットに設定していた。それでもユナイテッドは結論としてこれらのターゲット獲得をしないことを決めた。クラブには既にエリック・バイリー、マルコス・ロホ、フィル・ジョーンズ、クリス・スモーリング、ビクトル・リンデロフがいるため、大幅な戦力向上には繋がらないと判断したのである。これにより、モウリーニョ監督はこの夏の補強に関して何度か苦言を呈し、上層部やウッドワードCEOにフラストレーションを募らせることになった。
FD(フットボール・ディレクター)の設置は、その卓越した知識でユナイテッドのスタイルと精神を維持することで、上層部と監督との緩衝液の役割を果たすだろう。これにより効果的な選手補強の青写真を描くことを可能としたり、新たな監督の招聘を可能としたりするだろう。
もしもモウリーニョ監督の指揮している間にFD職を設置することになった場合、モウリーニョ監督がどのような反応を示すのかは不透明だ。金曜夜の2-1でのレスター・シティ戦勝利後、モウリーニョ監督は、CBを獲得できなかったことに不満を述べ、自身の補強に関する発言力が弱まっていることを認識していた。
モウリーニョ監督は次のように語っている。
私には数ヵ月前から自分のプランがあった。しかしプレミアリーグ開幕までに移籍市場が閉まり、想定していなかった状況にいる。この件について私がコメントするのはこれが最後だ。もう終わったことで、移籍市場は閉まった。これ以上、この件について話をすることはない。フットボールの形は変化している。監督は、現代ではヘッドコーチと呼ばれるべきだろう。我々には各分野のコーチングスタッフを抱えているわけで、監督というよりヘッドコーチに近い。それが現代のフットボールの形だ。
ディレクターがどのような仕事をするかはすぐ近くに例がある。マンチェスター・シティでは、チキ・ベギリスタインをスポーティング・ディレクターという名のものに置いている。スペイン人SDの根幹の仕事は、適した監督候補を見つけることであり、2016年のペップ・グァルディオラ監督の招聘がまさにそれである。
ユナイテッドは、以前は長期的に監督が指揮するモデルを固守していた。今もまだこれが理想的なことに変わりないが、監督への要求は年々厳しくなってきており、エリートクラブでは2〜3年サイクルで監督の首が変わっている。2013年のサー・アレックス・ファーガソン監督の勇退後、ディビッド・モイーズが前任者と同じような長期的な政権を築くことを期待されて6年の契約にサインした。ファーガソン監督は26年半に及ぶ超長期的な時代を築いたが、モイーズは2014年の4月に解任され、その後はルイ・ファン・ハールが2年指導したのち、ジョゼ・モウリーニョ監督がユナイテッドで指揮をしている。
2020年6月までの契約となっているモウリーニョ監督は、今シーズンはどのタイトルも挑戦できそうにないと語っており、昨シーズンの2位という成績も難しいことだと述べている。クラブの上層部は、ポルトガル人指揮官は余りにも短期的な視点であり、モウリーニョ監督下での2年間のユナイテッドの素晴らしい守備の記録があればユナイテッドはタイトルを狙えるはずだと考えている。
上層部は、ゴール数を増やし、昨シーズンのリーグ戦では16ゴールを決めてチーム内得点王だったロメル・ルカクをサポート出来れば、シティとの19ポイント差を詰められると考えている。これが、ポグバ、マーカス・ラッシュフォード、アレクシス・サンチェスらを向上させるようにモウリーニョ監督にプレッシャーをかけている。
ユナイテッドはキャリントンの練習場の拡張を議論しており、これは最近結成された女性チームが設備を必要としているためである。この工事が完了次第、フットボール・ディレクターが設けられることが予想されている。
<元記事:Manchester United plan to install director of football after restructuring@The Guardian>
今までは監督が長年クラブに仕えていたから、監督自体が長期的な視点も併せ持っていたけど、昨今のフットボールを取り巻く環境を鑑みると、長期的な視点に立つ者(ディレクター)と短期的な視点に立つ者(監督)の2人が必要かもね。
ただ、この2人が対立して監督が退任するってパターンが容易に想像できるけど。
Comment
FDという役職は相当優秀じゃないと務まらないですね。
クラブの伝統やスタイルを踏襲しつつ、監督と上層部の意向理解し潤滑油の役割果たさないとなりません。
もし今、FDを据えるなら上層部寄りでしょうからモウとの対立は起こりそうですね。
FDの人材も欲しいですが、レネ氏に戻ってきてもらいたいですね。
ラッシュフォードに戦略とゴール技術を叩きこんでほしいです。
今のままじゃ、10番着けるにあたいしませんし。
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